移住5年目を迎えるにあたっての所感

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こんにちは、ジュークです。

早いもので今年も12月を迎えます。私はこの季節になると、2018年に国際結婚を気にこのオーストラリアの土地に移住してきたことを思い出します。当時はビザも一時滞在のもので、もちろん無職であった。今思うと「よくあのリスクとったな」と思うこともあるが、「あのリスクをとって本当によかった」と思うこともある。

雑多に綴ってみたいと思います。

キャリアはやっぱり日本の方が可能性があるかも

これも完全に人によるとしかいえないが、キャリアの幅といった観点では、おそらく一般的には日本の方が可能性があると思う。

それは、色々とネガティブなニュースが多いことは事実であるが日本は世界第3位の経済大国であるので、企業の数もオーストラリアに比べたら圧倒的に多いわけで、その分就労の機会というのは幅広く存在すると思う。

特に、私のような母国語が日本語、第二言語で英語、職種は営業となると、やっぱり日本の方が就労機会が多い気がするのは否定できない。オーストラリアに限らず、英語圏の国で英語ができたからといって営業職の採用で優位になれるわけではない。あくまでスタートラインに立てるだけの話だと考える。

さらに、営業職に問われる業界経験と顧客業界とのコネも移民だと限られる。そりゃ採用する側からすれば、業界経験どころかオーストラリアでの就労経験もない移民を雇うのはリスクすぎることは、差別とかではなく合理的判断としか言えない。

そもそも、「英語ができること」が武器になるのは日本だからこそ。それは日本企業が海外市場と取引するケースや、外資系企業の日本法人で働く際は大きなアピールポイントになる。オーストラリアでは個人的には真逆だと思う。日本語ができたところで、日本・日本人相手の職種というとても狭い職種でしか活きないケースがほとんど。まとめると、豪州では日本人の英語力なんぞ何ら武器になんかならず、これもスタートラインに立つことへの第一歩にしかならない。

そんな観点で、日英バイリンガルの日本人の場合、「キャリアの幅」といった意味では日本の方が良い気がする。

そんなこんなで、私を含め在豪邦人の多くは、なんだかんだ言いつつ日本と接点のある仕事が多いと感じる。日本人であるからこそ、日本との仕事においては優位性が単純ながらあり、わかりやすく競争力がアピールできると思う。

子育てはオーストラリアに軍配?

昨年待望の第一子が誕生し、子育てに大奮闘中である。

オーストラリアで1歳児を育てる上で、良いと思う点をいくつかあげてみる。

まず、街の広さは嬉しい。基本的にオーストラリアは全てにおいて広いため、ベビーカーでの移動が非常にストレスフリーである。電車や歩道も広いし、カフェやレストランもゆとりがあるところが多く、ベビーカーで出かけても、周りに迷惑をかけることなく、気兼ねなく子供を自由にできる空間が多い。

そして人が一般的に優しい。カフェで隣の席になった人や、電車などで向かいに座っている人などと気兼ねなく会話をしたり、赤子をあやしてくれる人もいたりする。ベビーカーで電車を乗り降りしていると、何も言わずに率先して助けてくれたり、本当にありがたく優しい人が多いと感じる。

もう1つ付け加えるとするならば、公園が非常に多い。まず国として人口密度がスカスカなだけあって、そこらじゅんに公園があり、子供が遊べるスペースがある。オーストラリア最大都市シドニーであっても、公園は東京に比べものにならないぐらい多く、広く、そして子供を意識した設計になっているところが多いと感じる。それは1歳児を持つ親としてはとてもありがたい。エネルギーを持て余す子供が思いっきり走り回れる空間というのはとても貴重だ。

逆に、あまりよくないと思う点もあげてみる。

あるあるだが、チャイルドケアが高い。チャイルドケアとは日本でいう保育園的なところで、早ければ生後3ヶ月ぐらいから小学校に上がる前の5〜6歳くらいまで、朝7時ぐらいから夕方5時まで預かってくれる。

これもまた立地、サービスや建物の質で値段も結構な幅があると感じたが、それなりのところに預けようと思うと1日あたり140〜180ドル(2022年12月現在のレートで約13000〜17000円)くらいが相場なように思える。世帯所得のレンジによって政府からの補助金があり、おおよそ30%〜60%くらいもらっている家庭が多いと認識しているが、それでも結構な費用である。

まあ、1日を通してそれなりの教育プログラムが組まれており、子供も家にずっといるより他の子供と遊んだり、家でできないことをしたりできるので、刺激にもなり成長にも良いと思うが、やっぱり高いと感じるのは事実だ。

最後に、オーストラリアあるあるなのかもしれないが、雨が降ると子供と行くところがショッピングモールぐらいしかない。そもそも大自然が売りな国で、アウトドアが国民の娯楽である側面が強いため、雨が降ると本当に行くところがない。もちろん、動物園や水族館に行くこともできるが、それなりに高いのでそんな頻繁にいけないのが正直なところ。雨が降るとエネルギーを持て余した1歳児が家中を走り回って頭が痛くなる。

これからもずっとオーストラリアに住むか?

在外邦人ならおそらく1日1回は考える「いつまで海外に住んでいようかな」というもの。

私自身も特段「死ぬまでオーストラリアにいる」とも決めていないし、「あと数年で日本に帰る」とも決めていない。ただ、なんとなく少なくともあと数年はオーストラリアにいようと思っている、ぐらいか。

考慮する点はいくつかある。

まず、日本に住む両親のこと。二人とも60代半ばに差し掛かり、日本の平均寿命を考えるとあと20年ぐらいの時間が残されていると思う。健康寿命で考えるともっと短いだろう。

11月に一時帰国して思ったが、普段離れて住むからこそもっと親孝行はしないといけないと思った。在外だから両親に孫と過ごす時間も多く提供できていないし、年に1〜2回しか会えないのはやはり親孝行しているとは思えないことが多い。

そしてこれから介護などの現実も迫ってくる。そういうことを考えるといつまでも海外に住んでいていいのだろうか?と考えることはある。

2点目に娘の教育について。まだ1歳児だからそこまで考えてはいないが、やはり世界の共通言語である英語に関してはネイティブレベルにいて損はないと考える。それはしっかり学ばせたいと思っており、シドニーに生活の軸を置くのであれば問題ないと思う。

同時に、どこまでいっても娘はハーフ日本人なわけなので、自分のルーツであり続ける日本のことはしっかりと理解して経験してほしいとは思う。それは、私からの話を聞くだけではなく、自ら日本社会を経験し考え、自分なりの答えを出して欲しいと思ってしまう。何事も他人から言われたことを鵜呑みにするのでなく、自分が経験してどう思ったか言語化し、自分の人生に活かすことが大事だと私は思う。そういう機会を、娘が適切な年齢の時に与えられるかをとても考えてしまう。

3点目に、自分にとっての住みやすさについて。移住5年目に差し掛かり、日本にも何度か一時帰国している上で、やはりシドニーのほうが長期滞在と言った意味では私にとっては住みやすい。いろんな意味で私個人の持つ感覚や価値観に近いのは日本よりかはシドニーが近いと思うことがある。これといった具体例を言語化するのが難しいのだが、実際に暮らしていてストレスの溜まり具合といった観点では圧倒的にオーストラリアに軍配なのである。

終わりに

この一年は育児に奮闘し、仕事もかなり多忙を極めたためあっという間に過ぎていったというのが正直なところ。

やはり仕事が忙しいのもある種大事なことだが、家族との時間をいかに確保してストレスフリーに過ごすか。それを再認識させられた1年でもあった。仕事でメンタルが疲弊していると、子供と遊んでも心から楽しめないこともあったりして、それは非常に勿体無いし、子供にも申し訳ない気持ちになる。

来年はそこをもう少し追求したいと思う。

日本生まれ、海外育ち、2018年よりオーストラリア在住。2021年7月に第一子が誕生。普段は外資系企業でサラリーマンやってます。

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