こんなにある?オーストラリアに住むためのビザの種類

最終更新日

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

こんにちは。ジュークです。

さっそくであるが、日本に住む友人が先日「実は海外移住を考えてるんだよね」と連絡をくれた。色々と背景はあったものの、「ぶっちゃけオーストラリアってどうなの?」って話をしたりして、さまざまな実体験を共有する機会があった。

そんな世間話をしていた後「ぶっちゃけオーストラリアに永住することを前提とする移住のためのビザってどれだけあるんだろう?」と思ってDepartment of Home Affairsのサイトを見てみた。

ある程度有名なものから、そこで発見した「へぇ、こんなのもあるんだ」と思ったビザを適当にこの記事では紹介します。

改めてだけれど、よく話題になる「永住権(Permanent Residency)」の言葉が一人歩きしている気がする。なぜなら「Permanent Residency」の名のビザは存在しないからだ。ある一定の条件を満たすことで「オーストラリアに永住する権利」を得られるのであって「永住権です!(どーん!!)」みたいなストレートな名前のビザはない、が正しい表現だろうか。

早速行ってみよう。

Prospective Marriage Visa/Partner Visa

その名の通り、オーストラリア国籍者と結婚する・結婚している人がもらえるビザである。

Prospective Marriage Visaはわかりやすく「フィアンセビザ」とも呼ばれ、「結婚を前提としているカップル」がオーストラリアで共同生活を始められるビザである。Partner Visaは簡単な話、法的に婚姻関係にある夫婦に与えられる。ちなみに日本での婚姻はオーストラリアでも有効で、「法律的に婚姻関係にある二人」として認められます。

フィアンセビザを一定期間保有し、無犯罪であったりすると、数年後に永住する権利を付帯するPartner Visaがもらえる、そんな感じである。

何を隠そう私もこの方法で永住権を取得しました。詳しい経緯は以下のブログにまとめています。

Global Talent Visa

「へぇ、こんなのもあるんだ」筆頭格のビザ。

要約すると、スポーツや文化的芸能、専門職、学問や研究にて世界的に秀でた能力・結果を出している人に与えられるビザである。

後述するが「移住者ウェルカム!」なイメージのあるオーストラリアはは個人的にはおそらく1980年〜1990年代のオーストラリアであって、2000年後半ぐらいから真逆の道に舵を切り、いわゆる「移住希望者の選抜」が始まった感覚である。

つまり「オーストラリア人の家族がいる」「お金を持っている」「秀でた能力を持っている」のいずれかを満たしていないと「ウェルカム!」ではない国にになっていると感じる。

Investor Visa

「お金があれなんでもできる」を体現するようなビザ、それがインベスタービザである。

要はその名の通り「金の力で永住する権利を得る」ビザである。

条件として、滞在4年の間に少なくとも150万ドル(現在のレートで1億4000万円)を投資する必要がある。政府ウェブサイトに明記されてはいないが、株式投資・不動産、オーストラリア企業への直接投資などが考えられる。

「そこまでしてオーストラリアに住みたい人がいるのか?」と素直に思うところだが、実際毎月数百人の富裕層がヨーロッパや北米から入国しているとかしていないとか。

余談だが、シドニー都市圏で日本で言う3LDKのマンションを買うと150万ドルくらいするので、お金持ちにとってはポケットマネーで住宅を買えば永住権が付いてくるとも言える。

Regional Skilled Visa

我々庶民にもう少し現実味のあるビザがRegional Skilled Visaであると思われる。

一定の職業の人が、オーストラリアの「Regional」な区域に住むことで得られる永住権への道である。とどのつまり、「人口を増やしたい」区域に移民を呼び込むためのビザである。

それもそのはずで、いわゆるオーストラリアの大都市圏、例えばシドニーやメルボルン、ブリスベンは急激な人口増による住宅不足や渋滞が蔓延している。オーストラリア政府として移民に住んでほしい場所は大都市圏ではなく、どちらかといえば田舎なのである。

これまたご丁寧にオーストラリアの政府サイトには「田舎」の定義がポストコード(日本で言う郵便番号)で列記されている。

例えば、シドニーのあるニューサウスウェールズ州でいうとその1つがポストコード「2535」である。Google Mapで見ると以下である。

シドニー都市圏から南に約150KM離れている。Googleでこのポストコードを検索すると人口39人と出る。Kiama区域でみると人口2万人、Wollongongを含む広域で見ると30万人。日本で言うと青森県青森市、秋田県秋田市が30万人規模の自治体となっている。

小笠原諸島で人口2500人前後らしいので、人口50人とは… 想像ができません。

もちろん電車も空港もないので、シドニーからは車でひたすら移動するしかありません。

そういうところに永住してくれる人なら大歓迎なオーストラリア政府。ある意味わかりやすい。

Temporary Skill Shortage Visa

オーストラリア政府は一定の間隔で国家の成長に必要だが、数が不足している職業を発表している。その名も「Priority Migration Skilled Occupation List」である。

2022年8月現在、以下の職業がそのリストの一部だ。

  • CEO、会社経営者
  • 会計士
  • エンジニア(電気、交通機関、一般機械など)
  • 薬剤師
  • 看護師
  • 助産師
  • ソフトウェアエンジニア
  • 調理師

いわゆる「手に職」で高度な専門性が問われる職業が並ぶ。

こういった職業の人に対して、「一定の年数オーストラリアに住んでもよいですよ」といったビザを発行する、といったイメージになる。

それゆえか、オーストラリアに来る留学生に占める会計士や医療系、エンジニアを目指せる学部へ入学する学生が多いと言う話である。

大金を積むとか、オーストラリア人と結婚するなどに比べると「自分の能力と経験でなんとかなる」度合いは高いと思われるビザと思う。

終わりに

良くも悪くもオーストラリアは短期滞在するのであればワーキングホリデービザも取りやすいし、学生ビザの門戸も広い。

一方で、永住しようと思うとその門戸は一気に狭まる。オーストラリア政府からすれば、移民を永住させるということは、自国民の仕事の競争相手、福祉を受ける人数を増やすことにつながるので慎重になる気持ちはわからんことでもない。移民の全員が全員、自給自足できる給与を結果的に稼げるとも限らず、一定の数の移民がいわゆる生活保護狙いだという現実もあるとかないとか。

いっときは移民ウェルカム大国であったオーストラリアであるが、昨今の急激な社会情勢の変容から、移民受け入れに限定的になりつつある。

ただビザの種類は多くあるので、ご興味の方はぜひ調べてみてください。

日本生まれ、海外育ち、2018年よりオーストラリア在住。2021年7月に第一子が誕生。普段は外資系企業でサラリーマンやってます。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントする