オーストラリアを移住先としてオススメできるかまとめてみる
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こんにちは。ジュークです。
今日はさっそくではあるが、私の住むオーストラリアを「日本人の移住先」としてぶっちゃけオススメできるかをまとめてみる。
この考察は、大学生の頃の3年間間と国際結婚を機に移住してから3年間、計6年の私個人の滞在経験をもとにし、そもそもの前提として、学生やワーホリなどの短期滞在ではなくある程度の中長期的な永住を目的としている人とする。
このブログは決して「オーストラリア最高だぜぇ!いえーい!」「絶対おすすめ!来ないと損!」的な内容ではなくある程度現実的な側面に着眼する。私個人も移住前はどちらかというと、お花畑の内容より、「ぶっちゃけどうなんだろう」というところが知りたかったから。
この記事では、移住にあたり壁となるビザ、英語力、経済力の3つについて綴る。
ビザ
まあ、「こんなん言われても」というトピックではあるが、もっとも避けては通れない問題である。
もちろん、この記事を書いている2021年9月4日現在はコロナ禍真っ只中であり、そもそもの移住などが物理的に不可能に近いが、コロナ禍とか関係なくオーストラリア移住にあたり外国人が直面する最大の障壁がビザと言って良いと思う。
もっとも手っ取り早い方法としては学生ビザやワーキングホリデー(以後、ワーホリ)などのビザで一旦オーストラリアに入国し、学生をしながらワークビザをスポンサーしてくれる仕事を探すか、オーストラリア人の結婚相手を見つけて配偶者ビザの可能性を模索するパターンなどがある。
ただ、現実の話をするとコロナ禍の前からワークビザをスポンサーしてくれる企業はごく僅かである。あまりにも人手不足の業界、かなりの僻地に暮らす、もしくは特殊技能を必要とする仕事あればまだしも、オーストラリア企業がオーストラリア人を雇用せず、わざわざ外国人を雇う理由を政府に説明しないといけないわけなのでそもそものハードルは高い。
オーストラリア政府から見れば、自国民に雇用の可能性のあった仕事を外国人に仕事を”奪われている”わけなのだから。私は、仕事は見つかりそうだがビザをスポンサーしてくれる企業が見つからず、泣く泣く日本に帰った人もそこそこ目の当たりにしてきた。
私の所感ではあるが、ここオーストラリアで人手不足な業界といえば医療(特に高齢者向けの介護などの職種)、飲食(シェフは特に)、そして農業(よくワーキングホリデービザ延長で話題にあがる仕事)だろうか。
そして特殊技能というと弁護士や獣医、公認会計士などが当てはまる。
また、オーストラリア人と婚姻については… こればっかりは運や個人差があることなのでここでは割愛する。
したがって、個人の状況やスキル・年齢によりけりだと思うし方法はぶっちゃけなんでも良いのだが、中長期的に滞在できるビザを取得できる方法は確保されていないと、オーストラリアへの移住は現実的ではないと思うのが素直なところだ。
保持するビザが短期的だと、常にビザ更新について悩む必要がある。
また、そういった短期滞在ビザで得られる仕事の幅は狭い。雇用者からすれば、最初から短期的にしかオーストラリアに合法的に滞在できないとわかっている候補者をわざわざ雇用する必要などない。
ゆえに日本人で学生ビザやワーホリビザを持っている方々の最大の雇用先はおそらく日本食レストランだと思われる。
言ってもしょうがないことではあるが、理想は永住権の取得である。ワークビザでも中長期滞在は可能だが、雇用主に首根っこを掴まれている状況にあるため、場合によっては生活が苦しくなるケースを何回か耳にしている。
このあとお金についても触れるが、永住権がないとオーストラリア国民保険のMedicareにも入れず医療負担も増える。
英語力
「オーストラリアで仕事を探すのに英語力はどれだけ必要か?」
といった質問は時々聞かれるが、私の答えは「限りなくネイティブレベルに近くないと損はする」と言うことだと思う。
もちろん職種や業界によってはそこまで求められないものもある。
しかし、現実は英語ができないと損は間違いなくする。もっと正しい表現を用いると、英語ができて損をすることはない。
もし、あなたがオーストラリアでも現地の日本人社会に属し、日本企業に現地採用され、日本人の経営するスーパーや美容院にしか行かないという信念をお持ちであるならば、英語力はゼロでも構わない。このような生活を送るのであれば、英語をしゃべる必要は最低限になる。
ただ、後述するがオーストラリアにある日本企業の給与は、外資系企業のそれに比べて低い。言葉を選ばず言うと、オーストラリアである程度余裕のある生活のできる給与を支払う日本企業は多くない。
よって、オーストラリアである程度余裕のある生活をするには、オーストラリア企業や外資系企業に勤める必要がある(それか起業するか)
そうなると、英語力は当然必須だ。
面接で自己アピールすることも必要だが、入社してからも仕事をしていくではもちろん、社内政治や雑談をうまくこなしていかないといけないこともある。これは日本人が日本で日本企業で働くのに日本語が必要なことと同義である。
また、仕事に限らず、オーストラリアでは病院や政府機関とのやりとりも当然英語なのだからできないと苦労することは目に見えている。
経済力
「オーストラリアは給料がいいから、移住したいんです!」
というのもよく聞く。
結論からいうと、前述の英語力によって日本人の給与は決まっているといっても過言ではないと私は思っている。
英語が一切できず、こちらの日本企業の現地採用やジャパレスに勤めるとなると、その会社の日本における給与水準に合わせられることが多い。
私もいくつか日本企業の面接を受けたりしたが、年齢やポジションにも勿論よるが、私のような30代営業職の場合、日本企業の現地採用では年額4万ドル〜5万ドルが相場だと思う。日本円で320万円から400万円だ。まあ、日本の水準で考えるとそう悪い給与ではないのかもしれない。
日本から英語がほとんど喋れない学生やワーホリの皆さんがよく就職されるジャパレスの多くは、オーストラリア政府の定める最低賃金またはそれ未満の場合もある。直接的な表現を使うと、違法なのである。
大前提としてオーストラリアは物価が高く、特に不動産価格も高く、よって家賃の相場も高い。
仮に独身であったとしても、年額4万ドルの給与では食べていくだけで精一杯であろうというのが素直なところだ。
現地採用の場合、この4万ドルに民間保険も含まれていないケースが多い。つまり、何かしらの方法でMedicareを持っていたとしても最低限の医療しかカバーされていない。それ以外は全て自費となる。
何が言いたいかというと、経済的にかなり厳しい生活となる。
それではどうしたら、比較的雇用条件のいいオーストラリア企業や外資系企業に勤められるのか。
そもそもオーストラリアに移住してきて現地での職務経験が皆無だと、いきなりオーストラリア企業や外資系企業に勤めることへのハードルも高い。前述の通り、そもそも外国人を雇う価値のあるポジションじゃないと雇われない。そしていくらスキルがあってもオーストラリアでの就業経験がないと、色んな意味でコミュニケーションが大変だと想定されるため、採用側からは敬遠されがちだ。
そして、在住者は深く感じていると思うが、オーストラリアはかなりのコネ社会だ。前職の知り合いや業界の繋がりのいわゆるリファーラル採用、身内採用が一般的に行われているので、海外からきてコネもネットワークもない新参者は最初の就職は苦労する。別に犯罪でもないしね。まあ、これはオーストラリアに限らずどの国にもある程度言えることなんだろうけど。そもそも論、最大都市のシドニーでさえ人口500万人足らずで、東京の3割程度の規模感である。そのため、肌感覚にはなるが、3年も働いていればその業界の有名人やお偉いさんの名前はなんとなく耳にするようになる。
最初は日本企業に現地採用で勤め、履歴書にかけるローカルな経験を積むパターンなどもあるにはある。
まあ、与えられたカードをいかにうまく使うかなだけなのだとは思う。
終わりに
私はオーストラリアに社会人になって移住してきて3年が経つ。
もちろん楽しいことも多いし移住を後悔していないが、正直楽ではないことも多い。
多文化社会だのダイバシティだのなんだの騒がれているが、日本人であることのハンディキャップは言語的にも機会的にもやっぱりあると思う。言葉を選ばずに言うと、移民にとってはどこまでいっても白人オーストラリア社会との距離感はあると思う。
それがゆえに、良くも悪くも自分の身は自分で守ることが重要であり、そのためのビザ・英語力・経済力なのだと思う。
あんまり華やかな内容ではないが、今後オーストラリアへの移住を考えている方の参考になればと思います。
逆を言えば、これらの要素がある程度揃って落ち着けば、毎日の生活はだいぶ楽です。
それでは。