オーストラリアから見る「日本」という国
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こんにちは。ジュークです。
さっそくですが、私は2020年7月にオーストラリアの永住権を取得しました。
思えば2018年初頭の申請してからの2年半におよぶ道のりでした。それまでに日本での退職、移住準備、結婚式、移住、オーストラリアでの就職活動そして転職。実にいろいろなことがありました。
そのたびに心のどこかでオーストラリアでの生活を日本とのものと無意識に比較している自分がいました。
「日本だったらこうなのにな」「オーストラリアではこういうふうになるのか」など日々がオーストラリアでの生活への調整と適合の繰り返しだと思っています。
今日は簡単に3つほどまとめたいと思います。
キャリア構築:英語+専門性が武器になる
オーストラリアに来て日々考えるテーマは、この国における自分のキャリア構築です。
日本在住時も考えていたことではありましたが、オーストラリアに来てからもっと考えるようになりました。
極端な言い方で反対意見ももちろんあると思いますが、日本における就職やキャリアアップは「英語がある程度できる」ことによって人並み以上の機会が与えられていたということを痛感します。
もちろん日本における英語人口は少ないですし(あるリサーチによるとビジネルレベルで英語を操れる層は人口の3%以下)多くの日本企業において英語人材、多くの外資系企業においてもバイリンガル人材の需要は一定数存在していました。私も海外生活の長かったこと、英語が人並み以上にできたことなどが幸いし、当時は苦しいこともありましたが、今思えばそれほど苦労しなかったと言えます。
オーストラリアに来てから当たり前のことですが「英語」は武器になりません。むしろ「ネイティブにできないこと」がハンデになります。
だからこそ痛感することは「手に職」「競争力ある専門知識」がなければキャリアを切り開き、「上」を目指すことが難しいということです。日豪における「仕事」に対する価値観・文化的理解はあるにせよ、郷に入っては郷に従えであり、下の記事でも触れた通り、オーストラリアにはグローバル企業も少ないので語学が明確な武器になるケースというのが日本に比べると限定的だと感じます。
オーストラリアの経済についてマクロ的な視点でまとめみた記事が以下になります。
ご興味の方はぜひ。
そんな中で1年半ほど働いてまいりましたが、この度ウェブデベロッパーを目指すべく動き出すことを決めました。
今後も伸び続ける需要のある職であること、豪州に来たときに何かの縁でIT企業に雇ってもらえたこと、そしてウェブ構築をしている時間は何より楽しみを感じることからこの道の可能性を模索する決意をしました。
この詳細についてはまた別途記事を書きたいと思います。
日本という国の懐の深さ
仕事柄、日本とオーストラリアとアメリカと関わることが多く、日本という国について考えさせられることが頻繁にあります。
ネット上では、残念ながら特に海外在住者からは日本へのコメントは批判的なものが多いです。
- 労働環境がひどすぎる
- 満員電車も最悪!
- 給料安い!
- パワハラ!セクハラ!
どれも否定するつもりはありませんし、事実だと思います。
私も実際、日本在住時は毎朝の満員電車でストレスを溜め、長い業務時間と今思えば立派なパワハラに苦労しました。
同時に日本人であり日本語ができ日本のことを分かっているからこそ、与えられている仕事も世界には多くあると思います。それこそ私のような外資系企業に勤めている人々、駐在員の方々、日系企業の海外事業部、翻訳通訳、日本語教師、大学教授など。日本という巨大な経済圏と人を魅了する豊富な文化・歴史を持つ国家に支えられていると思わずにはいられないというのが私の本音です。
繰り返しにはなりますが、完璧な国などこの世界には存在しないわけです。日本にもオーストラリアにもアメリカにも、良いところもあれば悪いところもあります。それらをいかに落とし込み理解し、自分の人生に当てはめられるかが大事なのだと思います。
歴史と文化の重み
最後に個人的に思うのは、歴史と文化のその国に与える重みです。
日本はその長い歴史から、いたるところに100年以上の歴史を持つ建造物や神社・お寺があり、世界遺産があり、伝統芸能・伝統的な食べ物があります。仕事をしていてもその業界の長い歴史、その長い過去から存在するしきたり、様々な方々の思いがあったことを感じることは少なくなかったです。
オーストラリアに来てからその重みを深く感じるようになりました。ご存知の通り、オーストラリアは世界的に見ると歴史の浅い国です。イギリスの植民地化が18世紀、そして建国が1901年なので200年足らずの歴史の国家です。その短い歴史にもその面白み・特徴はもちろんあります。
オーストラリアの歴史について簡単にまとめた記事もぜひご参照ください。
もちろん、長い歴史や文化が必ずしも良い方向に向かうとも限りません。
特に日本ではその長い慣習から抜け出すこと、特に経済・労働では大きな問題があり多くの組織が解決策を持っていないとも言えます。オーストラリアでは逆に歴史が浅いことからゆるく、比較的自由な生き方があるとも言えると思います。
文化面では日本はオーストラリアでも一定の影響力があると感じます。ゲームやアニメ、ポップカルチャーでは米国との双璧と言えるレベルだと思います。日本のアート展も時折開かれますし、やはりその文化の影響力を感じる日々です。
終わりに
日本に住んでいた時は、日本の嫌なところばかりが目につき、オーストラリア移住に夢を描いていた自分がいました。今ある嫌なことがほとんど解決し、楽園にいけるのだとどこかで思っていました。まあ、よくあるパターンなのかもしれません(笑)
オーストラリアで生活を始めて、もちろん低減されたストレス源もあります。
例えば、基本的にオーストラリアには日本ほどの満員電車がありませんので通勤時のストレスは激減しました。また、オーストラリアは東京などに比べると街の中に緑が多く、公園などでリラックスできる空間もそれなりにあります。天気も良いことが多いですし、散歩しているだけで気分が明るくなることもあります。
同時に日本にいたら感じなかったストレスもあります。
例えば、公共交通機関。日本のように時間通りにオーストラリアの鉄道は動いていません。しょっちゅう遅延しますし、メンテナンス工事をしたり、ルートが変更になったりします。食事も日本のように当たり前ですが和食がどこにでもあるわけでもないです。また仕事も、日本人的な名前から不利になることも少なからずあります。
嫌なことも良いことも、どこにいてもあるわけなのだと毎日考えさせられます。そして最終的には自分の気の持ちよう、自分次第であることもまた教訓です。いいわば対局と言える日豪での就労経験を必ずいつか社会に還元できると信じています。
本日はこのへんで。