なぜオーストラリアは「ラッキーカントリー」なのか?資源大国のリアルと世界経済への影響力
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こんにちは、ジュークです。
オーストラリアに住んでいると、ニュースで毎日のように「鉄鉱石の価格が…」「中国への輸出が…」といった話題を耳にしませんか? あるいは、オーストラリアドルの為替レートが資源価格と連動して動くのを実感している方も多いかもしれません。
オーストラリアが「ラッキーカントリー(幸運な国)」と呼ばれる最大の理由。それは、広大な国土に眠る圧倒的な天然資源にあります。 今回は、世界経済を支え、私たちのオーストラリア生活の基盤ともなっている「資源大国オーストラリア」の凄さと、最新のトレンドについて深掘りします。
本日は改めてオーストラリア最大級の産業、資源について綴ってみたいと思います。
Contents
世界シェアNo.1がズラリ!オーストラリアの資源埋蔵量
オーストラリアの地面の下には、現代社会に不可欠な物質が大量に埋まっています。 オーストラリア政府機関(Geoscience Australia)などのデータを見ても、その存在感は圧倒的です。
- ボーキサイト: 生産量世界1位(2016年)で世界シェア30%
- 黒炭: 輸出量世界1位、生産量世界4位。うち9割が輸出向け
- 銅: 埋蔵量世界2位、生産量世界5位
- ダイヤモンド: 世界第6位(重量ベース)
- 金:埋蔵量世界1位(世界シェアの約2割)
- リチウム (Lithium): 世界生産量No.1。EV(電気自動車)やスマホのバッテリーに不可欠な「白い金」。
ボーキサイトはアルミニウムの原料の1つですし、銅はパソコンやスマートフォンなどの半導体に限らず昨今の電気自動車などに大量に使用されるものとして注目を浴びています。また、婚約指輪などで人気のピンクダイヤモンドの世界最大の産地はオーストラリアとなっています。
主要産業や日々の生活に必要な資源品のほとんどで世界トップの埋蔵量・生産量を誇っています。
なぜ世界はオーストラリアを選ぶのか?「カントリーリスク」の低さ
資源大国と呼ばれる国々は豪州の他にも、中国やロシア、アフリカや南米の国々があげられます。諸外国に比べると物価も人件費も高い豪州が、そういった国々との競争で勝っていけるのか。
その答えは「安定」と「信頼」にあります。
- 政治的安定: クーデターや内戦のリスクが極めて低く、民主主義が機能している。
- 法制度の透明性: 契約が突然反故にされたり、資産が不当に没収されたりするリスクが低い。
- 地政学的信頼: 西側諸国の一員であり、安全保障上の同盟国であること(特に近年の米中対立の中で、この価値が急騰しています)。
たしかにアフリカや南米の国々ではクーデターなどの政治混乱、経済危機や紛争・戦争がオーストラリアに比べると多発しています。中国やロシアは欧米諸国と頻繁にいがみ合っています。
そうなると、例えば自国の電力を賄う石炭のような安定的かつ安全に輸入する必要なある物品の場合、多かれ少なかれリスクを抱える国家に比べるとオーストラリアのような比較的平和な供給者が好まれる要因となっているようです。つまり、「多少コストが高くても、確実に、安全に届けてくれる」。この信頼こそが、オーストラリア産資源の最大のブランド力なのです。
スマートフォンやパソコンの需要が伸び続けると予想される昨今、オーストラリアの資源業界への需要も期待できるのではないでしょうか。
オーストラリア経済を牽引する巨大企業たち
資源セクターは、オーストラリアのGDPの約10%以上、輸出額の大部分を占める巨大産業です。 ASX(オーストラリア証券取引所)の時価総額ランキングを見ても、資源メジャーが上位に君臨しています。以下はそのランキングです。
- 1位:グレンコア(スイス)
- 2位:BHPビリトン(英国・オーストラリア)
- 3位:リオ・ティント(英国・オーストラリア)
- 4位:JiangXi Copper(中国)
- 5位:Vale (ブラジル)
実に世界トップ5のうち、2社はオーストラリア。以下に著名な企業をまとめてみました。
BHP Group(BHP)
世界最大の鉱業会社。「The Big Australian」の愛称で親しまれ、鉄鉱石、銅、石炭などを扱います。メルボルンに本社を置き、配当利回りの高さでも投資家に人気です。ForbesGlobal2000では93位にランクインし、米オラクルや米コカコーラなどより上位に登場するなど、その存在感が伺えます。
日本との関係といった観点では、BHPは1965年に東京に営業所を開設。68年から石炭の輸出を、69年から鉄鉱石を展開。BHPは三菱商事などの総合商社とも共同事業を立ち上げており、同社によって日本は3番目に大きなお客さんともなっています。豪州に駐在事務所を構える大手商社の主要取引品目も資源が多いようです。
Rio Tinto(リオ・ティント)
BHPと双璧をなす英豪系資源メジャー。鉄鉱石やアルミニウムに強みを持ちます。
Pilbara Minerals / Mineral Resources
近年の「リチウムブーム」で一気に存在感を増した新興勢力。西オーストラリア州を中心に、バッテリー素材の採掘を行っています。
終わりに
日本で暮らしていると「資源」について考える機会は少ないかもしれません。日本には海洋資源の可能性は秘められてますが、いわゆる鉄鉱石や石炭といった資源は微量のみ存在しており、ITや製造業などに比べるとあまり社会的にも脚光を浴びていないかもしれません。
一方のオーストラリアでは前述の通り、資源セクターが半ば国策で支えられており同国の政治・経済にも大きな影響を与えています。また、現在はコロナウィルス感染症の影響で変わってしまいましたが、今も比較的充実している福祉や社会保障制度も資源産業がもたらしてきた富の影響が大きいようです。
私はかつて製造業界で働いており、そのときに自社製品の原料の多くがオーストラリアから供給されていることを知りそれから「資源大国」としてのオーストラリアを知るきっかけとなりました。
観光業や教育、金融に目が行きがちなオーストラリア社会。資源という大きな経済力もまたこの国を形成する大きな要素でもあります。