【個人的感想】シドニーのサバーブ紹介

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こんにちは。ジュークです。
シドニーに住んではや6年ぐらいになります。友人や親族に「シドニーってどんな街?」「東京みたいに地域で特色があったりするの?」と聞かれることも度々あり、それをせっかくなのでブログにまとめてみたいと思う。
東京にも、下町や新興ベッドタウン、若者向け、家族連れに優しい街など色々なジャンルがあるようにシドニーにもとそれぞれのサバーブ(地域)に特色がある。個人的な感覚では、移民が多いか少ないか、どこの国の移民が多い地域か、そして経済力でシドニーのサバーブは特徴づけられる気がする。
完全に私の個人的な感想と経験からまとめてみたい。
Contents
シティ(CBD)

まずはCBDから。Central Business Districtの略がCBDであり、シドニー在住者は「シティ」と呼ぶことが多いと思う。東京でいうところの23区・東京駅周辺・新宿渋谷などのその街の中心のようなイメージだろうか。
いわゆる繁華街であり、オフィス街にはじまり、レストランが立ち並び、ウェストフィールドのようなショッピングセンターから水族館・映画館、居酒屋やバーなどといった娯楽が集中している。主に若者や学生、ビジネスパーソンが多く集まる地域。Queen Victoria Building (QVB)やオペラハウス、ハーバーブリッジなどの観光名所もこのエリアに集中している。
日本人御用達の日本食材店、日系美容院、無印良品、ユニクロ、紀伊國屋などもこの地域にもともと集中していた(ユニクロなどは今やシドニーの大きな繁華街であればどこにでもあるようになった)
電車やバス、路面電車(Light Rail)もあり交通の弁も良い。シティからであれば、シドニーのどこへでも行ける。
シドニー大学やUTSなどといった大きい大学も近辺にあるため、学生も多いため活気がある。オーストラリアの留学生は圧倒的にインド系・中国系が多いため、そういった国々の人々をターゲットにしたお店も増えた。何を隠そうチャイナタウンもここにある。
結論、非常に便利であり遊ぶことに困らない地域である。その利便性がゆえに家賃が高いなど、東京でいうところの「東京23区に住む」感覚に近い。
ロウアー・ノース・ショア (Lower North Shore)

サバーブとしてはWilloughby, Chatswood, Macquarie, Epping, Rydeあたりが含まれる。川(?)を隔てて北にあることもあり「Lower North Shore」と呼ばれる。
このエリアの特色はアジア系移民が多いことだろう。そのため、人種差別などに敏感な人や海外が初めての日本人にとって住みやすい地域かもしれない。もともと日本人学校があったエリアでもあるため、日本に関連するお店が多いことも挙げられる。日本食レストランや駐在員の居住、日本食材店などもこのあたりに多い。経済的にも中級以上ぐらいの家庭が比較的多いため、夜になっても治安もそれほど悪くない。
最近は地下鉄「シドニーメトロ」も開通し、交通の弁も格段に向上。それまで40分〜60分かかっていたが、シティまで片道20-30分程度の圏内となった。
この地域最大の繁華街であるChatswoodは今やシドニー有数の繁華街になり、買い物にも困らない。このエリアに住んでいる人は、人に会う予定以外でわざわざCBDに行く必要はないだろう。
日本でいうところの偏差値の高い公立の学校群もこの地域に多く、教育熱の高いアジア系移民が集中する一因となっている。マッコーリー大学もこの地域にあり、学生も多い。
オフィス街であり新興高層マンション街の「St Leonards」、CBDに次ぐオフィス街「North Sydney」は厳密にはこのエリア群に入らないがアクセスが良いので、それら地域で働いている人も多く住んでいる印象。
前述の通り、アジア系移民が急増していることから家賃は右肩上がりの印象。
シャイア(Shire)

一般的に「Shire」(シャイア)と呼ばれるのが、シドニー南に位置するこのエリア。Sutherland, Miranda, Cronullaあたりが含まれる。
ここは前述のLower North Shoreとは真逆で、移民が比較的少なく白人層が圧倒的マジョリティである「古き良きオーストラリア」が残っているとも言われている。アジアングローサリーも比較的少ないため、海外不慣れの人にはちょっと過酷な環境かもしれない。
5年ほど前に訪れた際は、アジア人が圧倒的マイノリティの地域だからか小さい子供からジロジロみられたりもした。
シティまで電車で40分〜程度と、勤務地がシティでも通えなくない距離感である。
ただ、まだごちゃごちゃしておらずゆったりとした空気がありつつ、再開発が進んでいる地域でもある。新しいマンションが建つなど注目する価値のあるエリアかもしれない。
インナー・ウェスト(Inner West)

Newtown, Marrickville, Ashfield, Leichhardt, Burwoodあたりが含まれる。シティに隣接しているため、地理的な利便性は非常に高い。それゆえ、家賃が高めであったり、人が多い。一言で言ってしまうとごちゃごちゃしている地域でもある。
Newtownはシドニー大学に隣接しているため学生が多かったり、中国人・韓国人街として発展したAshfield・Burwood・Strathfield、イタリア人街としての歴史をもつLeichhardtなどがひしめき合う、人種のるつぼのようなエリア。
電車やバス、路面電車(Light Rail)が発達しており、シティに30分以内に出られるところが多く交通の弁も決して悪くない。
若者や子供のいない家庭には住みやすいかもしれない。
ノーザンビーチ(Northen Beaches)

ノーザンビーチは、東京でいう田園調布や成城学園などに近い、いわゆる富裕層地域である。2021年の州政府統計によれば、NSW州における平均週給がおおよそ$1,829(16万円程度)のところ、このサバーブは$2,529 (23万円程度)と突出している。さらに、おおよそ4割の家庭が週給3000ドル以上(28万円以上)を稼いでいるようだ。
移民はそれほど多くなく、白人かつ富裕層が多い地域である。
ノーザンビーチへ行くには電車が通っていないなど、公共交通機関がバスぐらいしかない。基本的に自家用車での移動が前提だ。それはノーザンビーチの住民から公共交通機関などいらないと反対の声があがったのが理由だとか。少し話が逸れるかもしれないが、オーストラリアで暮らしていると一定の世代以上のオージーの間では「公共交通機関に乗るなんて貧乏人のすることだ」「自家用車を持ってはじめて一人前だ」の価値観が根強いことを感じることがある。電車やバス移動に抵抗がないアジア人からすると最初は「?」な感覚である。したがって、富裕層の保守派白人からすると「公共交通機関を敷く=貧乏人がやってくる」の考えが根強く、2025年現在もそんな層が過半数のノーザンビーチには電車が乗り入れていない(らしい)。
とどのつまり、同僚や知人と会話をして「ノーザンビーチ出身なんだよね」「実家はノーザンビーチ」と聞くと十中八九で富裕層確定である。
ちなみに、ノーザンビーチには日系カフェ「CAFE MONAKA」さん、非常においしいのでおすすめです。いつも混んでいるので早めのランチを推奨。
ヒルズ(Hills)

東京でいう虎ノ門ヒルズや麻布台ヒルズのように、シドニーにもヒルズがある。それがシドニー北西部に位置する、Castle Hills、 Baulkham Hills、Seven Hillsなどのサバーブである。
少し前まであまりガラのよい土地ではなかったようで、会社の年配のオージーズからあまり良い噂を聞かなかった。昨今は大規模な再開発が進み、ショッピングセンターや高層マンションが立ち並ぶなど若年層はそんな悪いイメージを持っていないと思われる。
地下鉄・シドニーメトロも開通し交通の弁も格段に向上した。シティまでは40分強の距離感。住んでいる人々は、どちらかというと家族層が多いイメージ。
ただし夜8時以降などはガラの悪い人が増えてきて、身の危険を感じることもある。小さい子供のいる家庭などには、ランチで行くにはいいエリアかもしれない。
ウェスタンシドニー(Western Sydney)

この地域の呼び名は人によって違ったり、一言に「Western Sydney」といっても広いのであまり適切な呼称ではない気がする。
また顰蹙を買う表現かもしれないが、シドニーは一般的に東側のほうが比較的経済レベルおよび治安が良く、西に行けば行くほどそのレベルは下がる傾向にある。日本でいう生活保護を受けている人や難民、アルコール中毒やドラッグ依存者が多く居住するのもどちらかというと、北でも東でも南でもなく、この西のエリアである。
いまや巨大なショッピングセンターを構えるParamatta、ベトナム人街のCabramattaや、それなりに栄えるBlacktownやLiverpoolも存在するのでそれなりの人口を有する地域である。完全に個人的な印象であり、読者の中に居住されている方がいたら申し訳ないのだが、夜20時以降のガラの悪さはちょっと言葉にしづらい。
そういった理由からか、このエリアに住む日本人は私は一人も知らない。
おわりに
以上、シドニーのエリアごとの特徴でした。完全に個人的な感想なので、実際に住んでみたら違うこともあるかもしれません。もしシドニーに今後住む予定の方の参考になればと思います。