コロナ禍のオーストラリアで2ヶ月ほど無職だった話

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こんにちは。ジュークです。

2021年も早くも2月が終わろうとしています。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

豪州は日本とは季節が真逆なため、本来夏のはずですが今年は少し異なり、とても涼しい夏となっています。

さっそくではありますが、2020年の終わりに失職してからこの度無事仕事が決まるまでの2ヶ月ほどオーストラリアで無職だった。日本から豪州に移住した時も、東京での仕事を辞めてからオーストラリアで職が決まるまで2ヶ月ほど無職期間があったが、そういった特殊な事情を除いての時期・タイミングで無職であったのは社会人となって働き始めてからは初めての経験だった。

体験記としての側面の強い記事になるが、参考になれば幸いです。

オーストラリアで無職であること

私も無職になってから初めて知ったが、この国で無職になること・失職することはそれほど珍しいことではないようだ。

特にコロナ禍において経営に行き詰まる企業、予算削減される国家機関なども少なくないようだし、コロナ禍を関係なく単に仕事がストレスフルで退職する人などはごく自然なことであえるようだ。私も無職期間を利用してさまざまな人と会う機会があったが、特段恥ずかしがることでもないようにも感じた。

もっぱら、日本で私のような30代の成人男性が平日の昼間から出歩いていたら、変な目でみられることも少なからずありそうだと思う。一方のオーストラリアでは前述の通りで、特段そういう目で見られたことは感じず白昼堂々とカフェでまったりしたり、近所の図書館を利用させてもらった。

オーストラリアで生活していてありがたいことの1つに図書館の充実ぶりがあげられる。

だいたい大きなサバーブ(Suburb)にはカウンシル(Council)運営の図書館が存在し、そのカウンシルの規模や予算にはよるがどこも比較的新しい設備が整っているイメージである。WiFi完備はもちろん、十分すぎる勉強スペースと机の数、場所によっては半個室のような空間まである。欧米の大学に言っていた方には「大学図書館のようだ」と言うと伝わりやすいかもしれない。

そしてもちろん公営のため原則無料である。そのカウンシル管轄地域に住んでいなくとも、利用者は全員無料。私もこの無職期間、ずっと家にいても悶々としてしまうため週2~3回ほど利用させていただいた。勉強目的に来る人がほとんどであり、10代の学生が多いかと思いきや30代や40代、50代の利用者も目立っており、そういった意味でも本当にありがたかった。

お金のことなど

永住権または市民権を所持し一定の条件を満たせば、日本で言う失業保険や生活保護を受けることもオーストラリアでは可能のようだ。また失職理由がコロナウィルスによる会社都合の解雇であれば別途政府からの支援金を受け取ることもできるらしい。

私は結論からいうと、この手の経済的保護は今回受けなかった。

長期に渡り無職でいることは想定していなかったし、なんだか生活保護を受けることに気が進まなかったのもある。

日本では次の仕事が決まっていない状態で仕事をやめると、年金・確定拠出年金の支払いなどの手続きがもろもろ発生すると認識している。豪州では私の知る限り、この手の手続きは通常発生しないようだ。

日本で言う年金はオーストラリアではSuperannuation(以後スーパーとする)と呼ばれ、多くの場合雇用主が被雇用者の給料に上乗せで9%程度(随時政府指針も変わるし、条件によってこの割合は変わることを留意いただきたい)、個人が有するスーパー口座に振り込まれる。スーパーを運用する会社はSuperannuation Fundと言われており、端的に言えば投資信託会社や投資ファンドのようなものだ。

こちらが希望するプラン(Aggressive/Moderate/Passiveなどの度合いから選べたりする)に沿って口座に入っているお金を運用してくれる。この手のファンドも10社以上存在し選ぶプランと経済状況にもよるが、過去10年程度は運用利率7%くらいが相場となっている。日本では年金はそもそも増えないという認識もあり、確定拠出年金も「増えたらラッキー」程度の期待値が大方のため、そういった環境からこちらに来るとその運用利率に驚く。

話を少し戻すが、スーパーへの積み立ては義務ではなくあくまで権利であると認識している。よって、毎月の積み立てがなくとも(つまり給与が発生していなくても)特段ペナルティは一般的には発生せず、単に運用元本が増えないというだけに収まる。

また、日本で言う住民税も給与天引きではなく、家を所持していれば住んでいるサバーブのカウンシルから家に直接請求が来る。賃貸の場合は、家賃に含まれていることが多い(つまり居住者ではなく家主に請求が行く)

よって、無職になった思ったが、税金・年金の支払いであくせくすることはなく、ただただ静かな日々であった。

無職期間は「心の充電期間」

結果的に仕事が無事決まったので今更感はあるが、2ヶ月間の無職期間は私の心の充電期間となった。

前職は色んな意味でストレスフルで、時には蕁麻疹が出るなど健康にも影響が出ていた。

やめるまで気づいてはいなかったが、そう言う時精神的にもかなりの負荷がかかっていることが多く、心の栄養が枯渇する。

そう言う状況に陥ると、朝起きれなくなったり、色々なことを頑張れなくなったり、どうしてもマイナス思考になるなど悪循環に陥りやすい。私も就職活動を頑張らなければと思いつつも「もうどうにでもなれ」と自暴自棄というか全てに無関心になっていた。ただただ流れ作業的に求人を見ては履歴書を出していた部分も否めない。

趣味でやっているスポーツにも心の底から没頭できなくなったり、外食をしていても「無職なのに外食していていいんだろうか」と考えてしまうこともあっった。

良い面としては、無職になると当然週5の労働時間がなくなるのでまとまった時間が確保できる。

私はこの時間で、通っていたプログラミングコースに全リソースを割くことができた。これは今となっては大きな財産となり、このことでウェブ開発についての知見と経験がだいぶプラスできた。

最後に、無職期間において家事を全て積極的に行った。洗濯から掃除、炊事、ゴミ捨てなど。

特に炊事においては、仕事をしていた時は「簡単にできるもの」に集中しがちで、なかなか時間のかかる料理はしずらい。

私は無職期間、有り余る時間を使って色々な食材を買ってきては色々なレシピを作ってみた。この中で、近くのアジアングローサリーで小豆が売っていることを知り、あんこの作り方をインターネットで学んだ。ご飯のレパートリーが増えたことで奥様も幸せになった(と思う)

残念ながらコロナウィルスによる移動規制などもあり、一人旅をするほどの自由はなかったが近場で行こうと思っていたけれど行けなかった場所などにも足を運ぶ余裕ができたりした。

終わりに

ほとんど覚悟していたとはいえ、私も実際に失職した昨年末には「今後どうしていこうか」と途方に暮れていた。無事次の仕事が決まった今、世の中とは不思議なもので、巡り合わせというかそういったものが働いているようにも思える時もある。

無職期間はやはり精神的に辛いこともあったし、先が見えない状況で何をどうしたら良いのかわからなかったこともある。ただただやれることを1つずつ粛々とこなしていく、気長に構える、そしてしっかり心の充電を行う。この繰り返しなのだと思う。

異国の地で無職になると「日本にいたらこんなことにはならなかった」と思ったことももちろんあった。なんで俺がこんな目に合わないといけないのだ、と。

同時にこの2ヶ月間は色々な意味で良い「立ち止まる」時間となった。2018年にオーストラリアに移住してからジェットコースターのような日々だったことを考えると、「これまでどうであったか」「今後どうしていこうか」などの反省が行うこともできた。

人生は80年近くあると考えると、「小休憩」ができたと思うことにして次の仕事に没頭し成果を出していきたい。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

2021年1月時点での心境を綴った記事も公開しております。

日本生まれ、海外育ち、2018年よりオーストラリア在住。2021年7月に第一子が誕生。普段は外資系企業でサラリーマンやってます。

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