日本とオーストラリア:働くことを比べてみた

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こんにちは!お久しぶりです。

さっそくですが、今日は日本とオーストラリアで働くことについて比べてみたいと思います。

「オーストラリアの仕事は楽ちんで高給!」「日本で2度と働きたくない!」といったコメントはよく聞きますが、私はちょっと違う考えを持っています。

私は日本で6年、オーストラリア1年半ほどの就労経験があります。どちらでも法人営業の仕事をしています。自分の経験のみからくる比較ですが、参考になれば幸いです。

それではさっそく行ってみましょう。

お給料

海外、特にオーストラリアで働いていると「やっぱりお給料いいんでしょ?」とよく聞かれます。

結論からいくとピンキリだと私は思っています。

個人的な経験からいくと日本で働いていた時、私は最初の数年は日本企業に新卒入社しました。その会社に今も仮に在籍していたとしても、たぶん今の方がお給料は良いです。私はその後日本で外資系企業に転職しました。その外資系企業は割とお給料が良い会社でしたので、そこと比べると今はトントンくらいなのが正直なところです。なので日本での職種や勤務先にもよると思いますが、必ずしもお給料がドーンと増える訳ではないですね。

税金に関して、日本と同じく額面の30%前後がなんだかんだ取られます。違いの1つはSuperannuation(年金)が日本式のお給料から天引きではなく、上乗せで支払われるケースが多いと思います。よって年収自体では増えるケースが多いと思われます。

もちろん、オーストラリアでも大手銀行やコンサル、資源会社などの一流企業での一定の職種(マネジャーやディレクター、ボードメンバー)は軽く年収数千万円を超えてきますし、案外身近に億プレイヤーもいます。そう言った意味では、日本でも外資系の偉い人も何千万プレイヤーもいますし、マクロで見ると大きく変わらないと言えば変わらないのかもしれません。

同時に仕事や案件によっては、法人営業でもオーストラリアでも基本給が年間三万ドル(240万円)+成果のようなところもあります(違法かも?)。経験が少なくとも希少性が高く需要の高い仕事では、十万ドル(約800万円)を超えるケースもあります。

なので、お給料に関しては一概に日本とオーストラリア、どっちが良いかは比べにくいですね。

キャリア構築

一般論で話をすると、日本企業・日本における外資系企業のほうが個人のキャリア構築においては考えてくれていると感じました。1年目はこの仕事、2年目はあの仕事、3年目であれこれ、といったパスがある程度整っているのが日本の職場な気がします。年次によって大きな案件を任せてくれる、駐在を検討してくれる、課長になれるといった「道」もありますね。

一方、豪州における外資系企業ではポジション採用が標準です。企業で空いた「ポジション」に人を雇うわけですから、その人が半永久的にその仕事をすることを期待されるわけですね。なので3年勤めたから昇進だとか、他部署へ異動の話がでるとか、そういうのは稀な気がします。もちろん優秀な人は次のステップを企業が準備してくれますが、約束されたものでもなく組織変更・企業買収売却も日常茶飯事なので「あったらラッキー」ぐらいの感覚でしょうか。

なので再び一般論ですが、3年程度で転職する人が多いのがオーストラリアですね。単純に同じ仕事を3年もしていれば飽きてくるのもありますし、「そろそろ俺も上に行きたい」という衝動から自身のキャリアアップのために転職していく人も多いです。

私の意見をまとめると、自身でキャリアを構築したい・自分の人生は自分で決めていくと強い意志がある方はオーストラリアの生き方は合っていると思います。一方で、私は日本で新卒就職でしてよかったと思うこともあります。日本企業に入ったことで、いわゆるジョブローテーションで色々な仕事を経験できました。自分の向き不向きも学べました。そういう意味では日本でキャリアを始めるメリットというのもあります。

自身の成長

成長という観点では、私は日本の労働環境が圧勝だと考えています。これも勤務先や人間関係にかなり左右される要素ではありますし、何を持って「成長」と定義するのも個人差があると理解しています。

個人の経験からいくと、日本就労時代は先輩や上司から「これはああしたほうがいい」「これはこうしろ」と指示や命令を受けることも多々あります。日本社会は原則ポジション採用ではないケースが多いため、ジョブローテーションや研修で様々な人と関わることもできるというメリットもあります。また自身がミスした時は、良くも悪くも叱ってくれる土壌もあります。叱られると腹立つこともありますが、今思うとあのとき叱られてよかったと思うこともあります。特に言葉遣いや仕事への姿勢とかですね。

一方のオーストラリアはポジション採用が社会基盤ですので、行動範囲はそのポジション内で関わる人・業務のみとなります。なので時折「人間関係の狭さ」に息苦しさを覚えることもあります。またオーストラリアにおける上司は、日本の上司と少し概念が異なり、「メンター」のような方が多い印象です。具体的な指示や叱責もありますが、比率は「一緒にがんばろう」「困っていることはないか」的な会話が多いと感じます。もちろん、これも勤務先や人間関係によります。自分がミスしたときも、叱責よりかは「どうやったら今すぐ解決できるのか」「同じ過ちを犯さないための教訓」をきれいにまとめてさっさと次に行きます。ドライといえばドライで、合理的と言えば合理的です。なのであまり「今のスキルを次のレベルへ」といった指導であったり、「これにチャレンジしてみよう」といった機会も、ポジション採用文化も間重なり稀だったりします。

まとめ

繰り返しになりますが、この世に完全な楽園など存在しないわけなので日本とオーストラリア、どっちが完璧でどっちが最悪だとかそういう結論はないと思っています。どちらの国も良いところ悪いところがあり、個人が何を重要視するかによって取捨選択することが大事なのだと思います。

自分の経験を元に考える私の意見は、日本で数年経験を積み、自分のやりたい仕事の基礎を学んでからオーストラリアに移住しても良いのではないかと思います。オーストラリアでは仕事のイロハを教えてくれる上司や先輩が必ずしもいる環境ではなく自分でなんとかしないといけない場面も多いので、日本で学べることは学んでも良い気はします。日本で基礎力をつけて、オーストラリアで応用力とサバイバル力をつけるイメージでしょうか。

それではまた次回。

日本生まれ、海外育ち、2018年よりオーストラリア在住。2021年7月に第一子が誕生。普段は外資系企業でサラリーマンやってます。

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