統計から見えるオーストラリア社会

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こんにちは。ジュークです。

本日は前から興味のあった「Australian Bureau of Statistics (オーストラリア統計局)」のデータを簡単にご紹介したいと思います。今回注目するのはオーストラリアにおける移民と人口についてです。

参考文献:Statistics on Australia’s international migration, internal migration (interstate and intrastate), and the population by country of birth

オーストラリアの移民事情

オーストラリア統計局によると2019年6月期(2018年6月〜2019年6月の1年間)における移民の概要は以下の通り。

  • オーストラリアに住む移住者は750万人以上
  • おおよそ3割(正確にいうと29.7%)のオーストラリア在住者は国外生まれ
  • オーストラリア全土の人口は移民により約24万人増

24万人はなかなかイメージしづらいかもです。これは東京都港区、埼玉県草加市、神奈川県茅ヶ崎市と同規模となっております。なので毎年、移民だけで港区が出来上がっているとも言えます(いえない)

前述の通り、2019年の調査時点でオーストラリアには約750万人の国外出身者が在住。

主な移住元の国・地域は以下の通り。

  • イングランド(986,000人)現在も最大の移民輩出国。近年は減少傾向にあり
  • 中国 (677,000人)2017年より第2位、2002年より強い成長率
  • インド(660,000人)第3位。引き続き強い成長率
  • スリランカ(140,000人)スコットランドを追い抜きトップ10入り

オーストラリアの国外出身者の割合は1889年に約32%あり、その後1944年の10%まで減少傾向を辿ります。その後は一転して増加を辿り現在の30%に「V字回復」した流れとなります。

これには2度の世界大戦やその後の白豪主義などが影響していたと思われます。

オーストラリアの歴史については以下投稿を参照ください。

やはり生活していても実感しますが、移住者は従来のヨーロッパからアジア太平洋への転換が加速しているようです。

オーストラリア在住者の「出身国」

以下がオーストラリアに住む約2500万人の主な出身国です。

  • オーストラリア 70.3%
  • イングランド 3.9%
  • 中国 2.7%
  • インド 2.6%
  • ニュージーランド 2.2%
  • フィリピン 1.2%
  • ベトナム 1.0%
  • 南アフリカ 0.8%
  • イタリア 0.7%
  • マレーシア 0.7%
  • スリランカ 0.6%

オーストラリアに住む人で、オーストラリアで生まれた人は全体の約7割。日本とは大きく違いますね。

前述の通り、中国やインドの出身者数は増加の一路を辿っています。例えば中国をみてみると2009年には35万人未満でしたが、2019年にはおおよそ倍の68万人を記録しています。

トップ10に入るアジア諸国は全て増加しています。

まさかシドニーでミソスープが買えるなんて!これもグローバル化の恩恵か!
(味についてはノーコメント)

一方で、宗主国であった英国・イングランドは絶対数は多いものの、2009年よりほぼ横ばい。同じヨーロッパのイタリアも2009年より減少傾向にあります。

こうみるとアジア系が増えているとはいえ、オーストラリア全土でみるとまだまだ小さい数字ですね。

また、州別に国外出身者が州人口の何パーセントを占めるかというデータも開示されています。

  • 西オーストラリア州が最大で35%
  • ビクトリア州(州都メルボルン)が31%で次点
  • ニューサウスウェールズ州(州都シドニー)が30%で僅差の3位
  • オーストラリア首都地域(ACT、主にキャンベラ)が28%
  • クイーンズランド、南オーストラリア州、ノーザンテリトリーが並んで約24%
  • タスマニアが最小で13%

西オーストラリアは鉱山や資源の産業が盛ており、それを支える移民の数が多いと推測されます。ビクトリア州とニューサウスウェールズ州は大都市があるためであると考えられ、ACTは政府機関が多いので必然的に海外出身者は多いと思われます。

以下は各州における最大の移民グループ一覧です。

  • 中国:ニューサウスウェールズ州
  • イングランド:ビクトリア州、南オーストラリア州、タスマニア州、ACT
  • ニュージーランド:クイーンズランド州
  • フィリピン:ノーザンテリトリー

オーストラリアの未来図

ここより出典が少し変わります。

出典元:Population projections (based on assumptions of fertility, mortality and migration) for Australia, states and territories and capital cities

さて、年々増加する移民の影響も少なからずあり豪州の人口は現在の2500万人から、おおよそ46年後の2066年には3740万から4900万に達する見込みとされています。

これは人口が1.7%で成長を続けると仮定した場合となっています。

国外からの移住者も、現在の約25万人から2060年には100万〜130万に増加すると見込まれてもいます。これは日本で言うと埼玉県さいたま市の人口が毎年移民としてオーストラリアに到着するということになります。

埼玉のポーズ(らしい)

よって、言うまでもなくオーストラリアは日本と真逆の人口増の一途を辿ります。

また現在は最大の人口を抱えるシドニーも、2031年〜2057年には国内最大の成長率が見込まれるメルボルンに人口で追い抜かれる予想ともなっています。メルボルンを州都とするビクトリア州は最大かつ最速の人口増が見込まれており、2066年までに現在と比較して60-130%の人口増とされています。

また、現在いわゆる「都市部」に住む人口は全体の67%とされていますが、これが2027年までに70%まで増えるとされております。私の住むシドニーでも住宅不足(コロナウィルスで先は読めなくなりましたが)はちらほら聞くので、そういった「都市圏への人口集中」問題が加速しそうです。

一方で、他州への移住者が多く、国外からの流入も限定的なタスマニア州は2028年を境に減少傾向に転落とも見込まれているようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

世界でも有数の面積を有する国家であるオーストラリアも、2020年現在人口はわずか2500万。これはおおよそ東京都と神奈川県の合計人口が、日本の25倍近い面積に住んでいることになります。土地余ってる!

大都市シドニーから1時間も運転すればこんな景色です(筆者撮影)

広大な面積と、今後増加の一途を辿る人口。これは経済的にもポテンシャルがあるのではと思わさせてくれる国、オーストラリア。一方で、砂漠も多いですし「そもそも人が住める」とされる土地面積は限定的であったり(一説によれば全国どの10%以下)するなど、今後加速する人口増を支える社会インフラや住宅などが不足するのではという意見もあります。

人口減に悩む日本とは真逆の青写真を描くこの国で、何かを学んでいけたらと思います。

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